14週 串カツ田中
友達の誕生祝いで異国料理を食べに行った。モロッコ料理。ハムのパエリア、タラとレモンのタジン、牛肉のタジン。たまにめちゃくちゃ食べたくなる異国料理。タジンのスープにバケットを浸して食べるのめちゃくちゃ好き。さらっと書いたけどめちゃくちゃ量が多い。飽食は豊かの証。最後にミントティーを飲んでおしまい。ミントティー、砂糖を入れないほうが好きなんだけど、ありえんほど入れて甘くして文化を感じるのもいいよね。
爆食したのに一回みんなで銭湯行ってバースデーケーキ食べて串カツ田中行った。毎週揚げ物に飢えてる。串カツって一本そんな大きくないからぱくぱく食べちゃうよね。串カツ田中といえば「ソース二度漬け禁止」って書いてあるソース壺？があったけどコロナ禍でドレッシングタイプの器に入ってた。コロナは文化を奪う。串カツ田中はアスパラと紅生姜が好き。チーズ系も大好き。本当は自分たちで潰してつくるポテサラも好きだけど、妊婦になってから半熟卵を避けるようになったのであんまり食べられなかった。出産終えたらアホほど食うんだ〜。
未だかつてないほど禁酒をしているけど、ノンアルビールで酔えるようになったのでよかった。この日遊んでたのはLINEグループ名「死ぬまで飲む会」の人たちなので、授乳を終えたらまた死ぬまで飲みたいな。開店から閉店まで日本酒飲み放題の店でメニューの端から全部注文するやつしたい。本当こんな酒クズなのに腹の子のため！とかいって酒やめてるのえらいよ。
13週 エビフライ定食
先週に引き続き、揚げ物食べたい。特にエビフライ。「最寄駅名＋エビフライ＋ランチ」で検索しまくったのでこの辺のエビフライ事情に詳しくなった。
ことさら気に入ったのが駅周辺の洋食屋さん。980円でデッケェ〜エビフライ3本ついてるの。サックサクのぷりっぷり。タルタルソースとレモン、ソースでいただくの。タルタルだけでもソースだけでもおいしいのに、この3つを全部かけて食べるのがバチクソ大好き。卵とマヨのまろやかさとレモンの酸味、ソースの芳醇さがたまらん。塩分過多？そんなのは知らん！
付け合わせがパスタとキャベツなんだけど、パスタは塩がしっかり効いててうまい。キャベツはやっぱソースかけて食うの好き。いつもごはん少なめで！って言おうと思って忘れる。毎回完食するけど。味噌汁もベーコンとか入ってたりして洋風。うまー。
家だとご飯の匂いが全部気持ち悪くなるけど（夫が作ってたらマスクするほど）外食はあんまり作ってる時の匂いがしない気がするんだよな。あーエビフライ食べたい。エビフライフォーエバー。
11週 海峡のからあげ
このあたりから無性に揚げ物が食べたくなった（マクドナルドのポテトは常に食べたいので除く）。
基本的にずっと眠たくてだるかったけど、その合間にiPhoneで「海峡 からあげ」と検索して画像を眺めていた。
海峡とは居酒屋チェーン店で、大学時代はここでよく委員会の飲み会が行われていた。21時から朝4時まで基本ひたすらビールしか出ない飲み会だったので、二次会の海峡でお通しのポップコーンとエビセンがなくなって、深夜2時くらいにめちゃでかい唐揚げが出てくるとヒャッハー！！！だった。
海峡のからあげはデカい。手のひらよりデカいんじゃないかってくらいの鶏肉に、ジャンキーな味がガッツリついた厚めの衣。あつあつのデカラアゲにレモンを絞って食べるのが最高にうまい。噛んだ瞬間のサクッ、じゅわ〜がたまらん。この衣は肉の旨みをすべて吸い切るための必要最低限な厚さなのでは。肉のうまみとレモンの酸味がいい塩梅すぎる。
海峡食べたすぎてインスタのストーリーにあげて、引っかかった元同じ委員会の同期と一緒に翌日食べに行った。たまに食べたくなるもんね、海峡。
10週 おにぎり
妊娠して驚いたのが「白米の炊ける匂いが気持ち悪い」。あれほどこよなく愛していた炊き立て白米の香りで吐き気を催すようになった。あと基本的に油で焼くとか何かを煮るとか、むあっとした湯気と匂いがダメで料理が一切出来なくなった。
そんな中でハマり食いしたものの一つが「冷たいおにぎり」だった。
作れないのでコンビニや、こと近くの和菓子屋で売っているおにぎりをめちゃくちゃ食べた。パリッとした海苔が食べたければコンビニで買った。
和菓子屋のおにぎりは小ぶりサイズで、ごはんの塩気が濃すぎないから具の味が際立つ。へにゃっとした海苔もいいアクセントになる。大好きなのは塩がしっかり効いた鮭、サッパリしたい時は梅、調子がいい時はたらこ。その3種類をひたすらローテーションしていた。
なお、つわりが落ち着いてからは無性に妊娠前は全くもって食指の動かなかったツナマヨを偏愛するようになった。ごはんが炊けるようになったらわかめとかゆかりとかのおにぎりを作りおきした。なんだかんだ冷えたおにぎりはいい。サクッと食べられるし。遠足を彷彿するし。テンションあがる。米はうめえ。米しか勝たん。
9週 マクドナルドのフライドポテト
「妊娠したらグレープフルーツとか酸っぱいものが食べたくなるんでしょ？」くらいの薄いつわり知識しかなかったので、自分が妊婦になってみてこれほどまでにマクドナルドのフライドポテトが食べたいとは思わなかった。
マクドナルドのフライドポテトをよく食べていたのは大学時代で、とはいえお金がなかったので全サイズ150円の時にLサイズ買ってケチャップもらってそれを夕飯にしていたくらい。特にマクドナルドに愛着も思い入れもなかった。
それがどうだろう。妊娠初期の段階でアホほど食べたものが、アホほど食べたくてしかなかったものがマクドナルドのフライドポテトだった。妊娠前は年1で食べるか否かだったけど、何百年分のマクドナルドフライドポテトを食べた？って感じ。食べ終わったさきから食べたかった。モスでもケンタでもミニストップでもお惣菜でも冷凍ポテトでもなく、マクドナルドのフライドポテトじゃなきゃダメだった。
加えて「with ケチャップ」が必須。マクドナルドのポテトも食べたいし、ケチャップも食べたい。ポテトをいちばん美味しく食べられる味付けはケチャップだし、ケチャップをいちばん美味しく食べられるのはマクドナルドのポテトだ。
少し濃いくらいの塩味のするポテトに、甘味の強いケチャップをつける。脳から汁が出る。幸せ。長くてふにゃっとしたポテトも好きだけど、端っこのカリカリした小さいポテトも好き。指についた塩味までうまい。ポテトやばい。
友人の経産婦含め、周りでは結構「つわりのおともはマクドナルドのポテト」という人は多いようだった。一説によると妊婦は血液量が増えるため血が薄くなるので不足栄養素を補うために塩気の強い芋を欲するとかなんとか。そうか体が求めてるなら仕方ないな。妊娠すると不安なことが多いからすぐググるけど自分が納得する適当な記事を見つけて安心しがち。カロリー気にせずとりあえず芋食ってりゃ幸せ。でも食べすぎると吐く。意味がわからん。マクドナルドのポテトはうまい。書いてたらまた食べたくなった。
なお「マクドナルドのフライドポテト」とくどくど言うのは、自分が関西出身で元々は「マクド」と言っていたけど上京して「マック」がメジャーだと知り、アイデンティティをどこに置けばいいかわからなくなったから。マックこそばゆいけど今更マクドともいえないというか……。もうどうしたらいいのか分からないからマクドナルドって呼んでる。
産んだら生牡蠣
妊娠してびっくりしたのが、つわりには種類があるということ。
食べると吐いてしまう「吐きつわり」、逆に食べてないと気持ち悪くなる「食べつわり」、眠気やだるさがひどい「眠りづわり」、においで吐き気を催す「吐きづわり」、よだれがたくさん出る「よだれづわり」などなど。これらの症状が複数当てはまる人もいれば、つわりを経験しない人もいる。
「妊娠したらつわりでグレープフルーツしか食べられなくなるんでしょ痩せちゃうじゃん〜」と思っていたので、このバラエティ豊かさに驚いた。
私は主に「食べつわり」がひどく、サブで「吐きつわり」「においづわり」という感じ。
妊娠5週ごろからうっすらとつわりが始まり、段々とキツくなっていく。ピークは12週くらいで、つわりが完璧に落ち着いたのは20週ごろだった。永遠に終わらないかと思った。日付が変わるたびに「16週ごろにはつわりが終わるらしい、あと◯日」と指折り数えたし、16週を超えてからは「あと何日で終わるんだろう」と早く終われという希望と本当に終わるのかという絶望を持って過ごしていた。人生で最も長い15週間だった。
その間ずっと「お腹が空くと気持ちが悪い」。その気持ち悪さが不快なので常に食べていた。お腹が空かないように。
今まで食事制限やダイエットを難なくこなしていたし、朝ごはん抜きで昼夜食べたら満足、甘いものもそんなにいらない体だったのに、朝起きたらとりあえず何か食べなければ吐き気で死にそう、というのは地獄だった。「お腹空いたから食べる」は幸福でも、「お腹いっぱいじゃないから食べる」はしんどい。
そうなると食べるのが嫌になりそうだけど、まったくもってそうはならなかった。毎晩「明日は何を食べようか」とスマホでおいしそうなごはんを眺めていた。何していても気持ち悪い、食べてる以外気持ち悪いとなると食がいちばんの娯楽になる。
においづわりで炊事はできないので外食かお惣菜。住んでいる街のランチとスーパーやコンビニのラインナップにめちゃくちゃ詳しくなった。
吐きつわりのせいでお腹が空いたら吐き気がするし、食べても吐く時もあるし、お腹いっぱいになると吐くし、食って吐いての繰り返しだった。それでも食べたい！だった。何なら吐いたらしばらく楽だからガンガン吐いちゃえ〜摂取カロリー減るし！と思っていた。考え方が過食嘔吐。
そんな食に囚われまくる生活にシフトした。この変化が怖くてググったら、妊婦は結構「ハマり食い」をするらしい、ということが分かった。つわりでしんどくても無性に◯◯が食べたい！それしか食べたくない！となりがちとのこと。たしかに「妊娠して吐きつわりで気持ち悪いけどグレープフルーツは食べられる」もその類かもしれない。私はグレープフルーツじゃなかったし日によって食べられる（食べたい）ものが変わるタイプだったけど、食べたいもの以外食べられなかった。特定のものがしばらく食べたい時もあった。これもある種のハマり食いだろう。
そう、「日によって食べられるものが変わる」のおかげで、妊娠初期は食べることしか考えてなかった。いろいろあって私は妊娠発覚からずっと仕事を休んでいて、本当に、食べることしか考えていなかった。
つわりが終わったら落ち着くかと思いきや、食べつわりのせいで食べグセがついた。吐かなくなったのに食べる量は変わらないので、中期から体重増加が顕著になった。あとやっぱりコロナ禍だったり後期は切迫早産になったりで外に出られなくて「食がいちばんの娯楽」が継続している。
ただ、それを抜きにしても妊婦の食に対する欲深さってこんなにすごいの？と自分でも引く。特につわりが落ち着いた妊娠中期から後期にかけては、食欲にストップがかけられない。胃はいっぱいなのに脳が求めている。意味がわからない。妊婦の食欲やべえ。
ちなみに妊婦には避けるべき食べ物がある。大好物である生牡蠣（食中毒）、ブルーチーズなどナチュラルチーズ（リステリア菌）、生ハムやユッケやローストビーフなど生系の肉（トキソプラズマ）など。マジかよ。妊娠前は生牡蠣と生肉と生チーズのために生きていたのに。なのに我慢して食べてないのえらすぎる。禁酒も未だかつてないほど続いてる。産んで授乳終えたら夫に子ども任せて生牡蠣を生ハムで巻いてブルーチーズのせてシャンパンで流し込む。あ〜〜〜生牡蠣食いて〜〜〜！！！！！
そんなこんなで食べることしか考えてない妊婦生活なので、食べることについて書いておこうと思った。これは私が生牡蠣を食うまでの記録である。
2022.3.24
